1927年6月、チュニジアのイクトス村で複数枚の石板が発掘された。 一つの石板は3cm×3cmの大きさ、それぞれには月、剣、宝玉、王冠、葡萄と思わしき象形が刻まれていた。 調査によって、これらの石板は古代ローマ帝国時代のもので、占いを兼ねた遊戯に使用される道具だという事が判明した。 月は天運、剣は武力、宝玉は財力、王冠は経済や政治力、葡萄は土地の豊かさを象徴している。 石板を12マスに区切られた盤に並べ、石板を別の石板に重ねるように並び替えていき、上から見て同じ象形が3つ並ぶ形をつくる。 この遊戯は当時のローマ皇帝とその周りの限られた者のみの間でひっそりと行われていたもので、多くの人々はこの遊戯の存在すら知ることはなかった。 皇帝が自身あるいはローマ帝国の未来を占うために用いたのではないかという説が有力である。 「3世紀の危機」と呼ばれる動乱に巻き込まれてか、「皇帝が賭博めいた行為を行っていた」という風評が広まるのを恐れてか… 理由は定かではないが、事実としてこの遊戯はローマ帝国の亡骸と共に埋められ、少なくとも1500年あまりの時を瓦礫の下で過ごすこととなった。 『ベルルマロット』はこの古代ローマの謎多き遊戯を元に、現代的なゲームの仕組みを取り入れ再構築したカードゲームである。 このゲームを通して、ローマ帝国の皇帝達が嗜んだ失われし遊戯に思いを馳せてみてほしい。 『ベルルマロット』ゲームデザイナー メニー・アンド Meny Ando |